こんばんは、takahashiです。
このたび、ブログをはじめました。
いまはnoteが主流の時代ですが、なんとなくその流れには乗らずに、あえて「ブログ」というかたちで書いてみたくなったのです。
もともと文章を書くのは得意ではなく、むしろ苦手なほうです。
それでも、「自分の中にある考えを、すこし外に出してみたい」そんなふうに思う気持ちがふくらんで、書き始めてみることにしました。
最近、「お金にならないこと」や「ムダだと切り捨てられてしまうような趣味」を、あえて大切にしたいと思うようになってきました。
そう思うようになったのは、坂口恭平さんの『躁鬱大学』という本を読んだのがきっかけです。
私は、正式な診断を受けたわけではありませんが、気分の波が大きい「躁鬱傾向」があります。
たとえば躁状態のとき、知り合って1ヶ月あまりの方(現在の夫)に誘ってもらい、仕事を辞めて関東から関西へ移住したことがあります。
当時は、グラフィックデザイナーとして働いていました。(デザイナーの仕事は今も完全にやめたわけではありませんが、最近はあまり積極的には受けていません。)
気分が高まっているときには驚くほどアイデアがあふれてきて、「いける、いける!どんどん湧いてくる!」と、まるで無敵になったような感覚になります。
KADOKAWAさんから出版させていただいた『配色&デザインアイデア事典』という本も、2ヶ月でおよそ1000案のデザインアイデアを制作しました。
3日間ほとんど眠らずに作業して知恵熱が出るなど大変なこともありましたが、実際に本が発売され、本屋さんに自分の本が並んでいるのを見たときは、なんとも言えない嬉しさと不思議な気持ちになりました。その後は反動でしっかり鬱になりました。
二年ほど経ち、関東に戻ることになり、本の印税を元手に喫茶店をはじめました。(夫にもたくさん助けてもらいました。)
そんなこんなで今は喫茶店を続けています。
今まで何度か「会社員として働こう」とチャレンジしたこともありましたが、どうしてもうまくいきませんでした。
思えば、組織に属して、心から楽しいと感じられた経験が、あまりありません。いつもどこか馴染めなくて、静かに孤立してしまうような感覚がありました。
美術の授業だけが、楽しい時間でした。
…話を戻すと、『躁鬱大学』は、私のように気分の波と付き合いながら生きている人に向けて書かれた、“こうするとちょっとラクになるかも”というヒントが詰まった本です。
この本では、「神田橋語録」と呼ばれる、精神科医・神田橋條治先生の言葉をもとに、躁鬱な人のための生き方マニュアルのようなかたちで話が展開されていきます。
その中に、こんな一節がありました。
「できるだけ無駄なことをするように。
それらはすべて、人生に重みをつける。
体験した事は、すべて財産になります。経験は多いほど良いです。」
この言葉を読んで、なんだか今まで、「なるべく意味のあることをしよう」「お金になるようなことをしよう」と無意識に思っていたなと気付きました。
というのも、先ほども書きましたが、会社に入ってもアルバイトをしても長く続かないんです。
どうにか頑張ろうと必死に努力するんですけど、やっぱり続かなくて、そうなると当然お金も稼げません。
関西にいたとき、「自分は会社員には向いていない」と思って、フリーランスになることにしました。
フリーランスって自由そうで、学生のころからずっと憧れていたんです。
でも、実際にやってみると想像以上に大変でした。
仕事は自分で取ってこなければならないので、行きたくもない経営者ばかりの会に顔を出したり。
人と話すのが苦手なのに、親世代くらいの経営者200人の前で「デザイナーとしての意気込み」をプレゼンしなければならなかったり。
若いというだけで対等に扱ってもらえないことも多く、打ち合わせの前は毎回吐きそうになっていました。打ち合わせや◯◯会の前には、お酒を1缶飲んでから挑んでいたこともあります。極度に緊張しているので酔うことはないのですが、「お酒でも入れなければ立ち向かえない」という感覚でした。
今思い返しても、本当にしんどい時期でした。
それでも当時の私には「デザインを作ること」以外にお金を稼ぐ方法が思い浮かびませんでした。
けれど毎日がつらくて、「会社員もだめ、フリーランスもだめ、私はどうしたらいいんだろう」と悩み続けていました。
頭の中はいつもお金のことばかり。
いかにお金を使わずに、社会の荷物にならないように生きるか。そんなことばかり考えていました。
その後、関西でさまざまな出会いがあり、少しずつ世界が変わっていきました。
(そのあたりはまた後で書きたいと思います。)
いろいろな出会いのおかげで、自分を受け入れられるようにはなってきたものの、心の奥には「なるべく意味のあることをしよう」「お金になるようなことをしよう」という思考がずっと残っていました。
だからこそ、本でこの言葉に出会ったとき、ハッとしたのです。
「できるだけ無駄なことをするように。
それらはすべて、人生に重みをつける。
体験した事は、すべて財産になります。経験は多いほど良いです。」
自分はお金という紙切れに縛られて、本当の人生の価値について考えてこなかったのだと気づかされました。
それで、「ブログを書いてみよう」と思ったのです。
ある意味、このブログは私にとってリハビリのような役割もあります。
人に評価されるものを書かなくていい。お金にならなくてもいい。楽しいから書く。そんな感覚を意識しながらたまに更新していきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。
takahashi rena
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