わたしは、お店を探すとき、よくGoogle Mapsを使う。
いつも通り、Google Mapsを見ていると、ふと、ある写真が目に止まった。
きれいな写真だな、と思った。
その人のプロフィールを見ると、京都に住んでいる男性のようだった。
喫茶店がすきみたい。京都周辺のいろいろなお店の写真とレビューが並んでいた。
あと、建築もすきなのかな、そんな印象を持った。
なんとなく、その人の投稿を見てみる。
別に、変わったことを書いているわけでもないのだけど、「なんか、いいな。」と感じる文章と写真。
◯◯◯◯さん。
当時はGoogle Mapsにフォロー機能があり、わたしは2日に1回くらいのペースで、◯◯◯◯さんが何か投稿していないか、チェックするようになった。
それから数カ月。相変わらず、たまに◯◯◯◯さんの投稿をチェックする日々。
わたしは、◯◯◯◯さんのことを、建築関係の仕事をしている50代くらいの男性なのかな、と勝手に思っていた。なんとなく。
とにかく、わたしは◯◯◯◯さんの文章と写真がすきで、行っている場所も自分の好きな系統のお店が多かった。
いつか会ってみたいけれど、わたしは、◯◯◯◯さんの名前と、京都に住んでいる男性だということしか知らない。
名前を検索してみたけれど、何も出てこない。Google Mapsには連絡を取る機能もないし、どうしようもないなと諦めていた。
そんなある日、ツイッターで、なんとなく、憧れの喫茶店の名前を検索してみた。
一番トップに出てきた投稿。見たことがある写真、文章。
◯◯◯◯さんだ! と、すぐに分かった。
◯◯◯◯さんは、画家さんで、qpという名前で活動されていることを知った。
「なるほど、画家さんだったのか」これがはじめての感想。
確かに、芸術家っぽい感じは、Google Mapsからも感じていたから、納得だった。
ツイッターの投稿を見る。
Google Mapsで見ていたようなお店のレビューと、日常の写真、描かれた絵がアップされていた。
やっぱりいいな、と思った。
それから、qpさんが何か投稿をしているのを見ては、たまにコメントを送ったりした。
たまに「いいね」してくれて、うれしかった。
そんなある日、なんだか疲れてしまって、10年やっていたツイッターアカウントを消すことにした。
qpさんの投稿が見れなくなることは心残りだったけれど、Google Mapsは見ることができる。
いつかqpさんに会ってみたいという気持ちは相変わらずあったけれど、まあ無理だろう。と、諦めていた。
それから数日後。
なぜか、インスタグラムが、qpさんのアカウントをおすすめしてきた。
qpさんがインスタグラムをやっていることを知らなかったし、インスタグラムがわたしにqpさんをおすすめしてきたことにも、驚いた。
わたしがフォローしている人の中に、qpさんと繋がっている人はいなかった。
すぐにフォローして、ストーリーを見ると、なんと本を出版されることが決まったと投稿されていた。
「喫茶店の水」という本。
吉祥寺の百年さんで、出版記念イベントとして写真の展示と、サイン本を発売するとのこと。
このとき、はじめてqpさんにDMを送った。